卒論や修論を読むためにスキャンする

大阪大学文学部文学研究科の、日本文学国語学では、教務係に提出する論文の正本のほかに、副本を何冊か研究室にに置いておき、それを回覧する形で審査教員が読むことになっている。
 私は、例年、国語学論文すべてと、日本文学論文の一部を審査することになっていて、以前から、読むべき論文は、なるべくコピーして手許に置くようにしていた。
 数年前からは、当然のように、そのコピーをスキャンするようになったし、一昨年ぐらいからは、コピー機で直接スキャンするようになった。副本数>=審査教員数であることが確認できれば、製本をばらしてスキャンすることもあった。(簡易製本だから読んでいる内にバラけることもあるし、と最初は心の中で言い訳していた。)
 論文は、両面印刷のものもあるが、片面印刷のものも多い。その場合は、コピーが面倒だった。製本していなければADFで楽々なのだが、と思いながらコピーを取っていた、スキャンしていた。
 そこで、今年からは、副本のうちの一部を、未製本で提出してもらうように提案した。それが認められたので、今年のスキャンは楽だった。


 データで提出させればよいではないか、という意見もあるだろう。現に、私が主査となる論文については、提出者にそうするよう働きかけることをしているし、そうでなくとも、そうしたことに抵抗のなさそうな人にお願いすることもある。しかし、全員にそれを義務づけるのは難しそうに思う。外字もあるし、切り貼りする人もいるし、そうした穴のあるデータを出すことへの抵抗感も強そうなのである。
 提出者がスキャンして、どこか共有の場所に置いておく、というのは、これもまた、まだ面倒そうだ。